LIVZON STORY 08

たてものを「"好き"を届ける」いきものに。
バンダイナムコグループのライブホール「Shibuya LOVEZ」。

渋谷の新たなランドマークを支える設備づくり

東京都渋谷区宇田川町。さまざまなカルチャーの発信地であるこの街に、2026年6月、新たなライブホール「Shibuya LOVEZ」が開業しました。
株式会社バンダイナムコホールディングスは、若者をはじめ多様な人々が行き交う渋谷に施設を建設することで、ブランドのさらなる認知度向上を目指しました。大成温調は、注目を集めるこの施設の空調衛生設備工事を担当しました。

都市型ライブホールならではの難しさ

この施設は、渋谷という市街地の限られた敷地を有効に活用しながら、どの席からでも観客がステージを見やすいよう設計されています。客席に段差を設けて見やすさを確保するとともに、必要に応じてアリーナの客席を展開・収納できる仕組みを取り入れた「劇場型アリーナ」とすることで、上層階やステージから最も離れた客席からでもステージとの距離を近く感じられる、コンパクトながら一体感のある大空間を実現しています。
一方、都市型の施設ならではの複雑な建物形状や限られたスペースは、工事を進めるうえで大きな課題となりました。壁や梁がさまざまな角度で配置され、左右対称ではない箇所も多いため、その形状に合わせながら、各設備をいかに収めるかが重要なポイントでした。
そこで、建物の特徴に適した設備計画について検討を重ね、必要な機能を確保しながら、天井内に設置するダクトをできるだけ減らす方法を採用しました。

限られた空間を活かす設備の工夫

その工夫の一つが、空気の「カスケード利用」です。空調で冷やした空気を、まず大空間アリーナに供給し、その後、各廊下、さらにトイレへと順に流し、最終的に屋外へ排気することで、空気を段階的に有効活用しています。これにより、ダクトの物量を抑えるとともに、省エネルギーにもつなげています。
さらに、排煙設備にも工夫を取り入れました。天井内まで壁を立ち上げて密閉された空間をつくり、天井内全体をチャンバーボックス(空気の通り道となる空間)として利用することで、本来必要となる一部のダクトを省略しました。
排煙ダクトはサイズが大きく、天井内で多くのスペースを必要とします。その量を減らすことで、ほかの設備を設置するスペースを確保しやすくなり、限られた空間をより有効に活用することができました。
さまざまな人の「好き」が集まるこの空間。その舞台裏には、よりよい施設をつくり上げようとする多くの人の想いと工夫が詰まっています。これからも、施設に込められたコンセプトを設備の面から形にできるよう、さまざまな施工に挑戦していきます。