LIVZON STORY 01

たてものを「伝統と未来が息づく」いきものに。
京都四條南座のリニューアルプロジェクト。

90歳を超えた文化財施設に新たな命を

江戸時代に起源を発し、日本最古の歴史を持つ劇場「京都四條南座」。1929年に竣工された現在の建物は、桃山風の意匠を凝らした存在感ある外観が特徴で、国の登録有形文化財にも登録されています。しかし、建物が現在の耐震基準を満たしていないことから、2016年より耐震改修と劇場設備改修が行われることに。2018年11月に新開場を迎えた本劇場の空調衛生設備を、大成温調が担当しました。

歴史と伝統を保全しながら設備機能を向上

歴史的建造物としての外観や、内部の意匠を維持・保存しながら、現在の基準に基づいたさらなる快適性、安全性を備えること。その実現は容易ではありませんでした。例えば、建物内部にはもともと空調の施されていないエリアがあります。耐震補強を行うと、その分だけ梁はりや壁の有効スペースが削られてしまうため、既存部分との兼ね合いを検討しながら慎重に作業が進められました。

より安全で快適な伝統文化の発信拠点へ

集客施設としての快適性を向上させるため、客席空調にVAV(可変風量システム)を、舞台上の役者の冷房用には置換空調を導入しました。また集中豪雨による浸水対策として、雨水配管や汚水配管のルート替えを実施。排水放流先を変更したほか、今まで勾配で行ってきた排水を、地下排水槽の設置によってポンプ圧送方式に切り替えました。これにより安全面、衛生面でもグレードアップを果たすことができたのです。

京都中心街という制約の多い立地条件の中、騒音や振動、粉塵などにも細心の注意を払い、進められた本プロジェクト。最新技術により生まれ変わった「京都四條南座」は、伝統文化を現代に伝える新たな発信拠点として、多くの人々で賑わっています。