TCFD提言に基づく情報開示
TCFD提言への賛同
当社は2022年11月、金融安定理事会(FSB)「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同したことを表明しました。本項目では、TCFD提言に基づき、気候変動関連の重要な情報を開示します。
ガバナンス
この内容の詳細については、サステナビリティマネジメントに記載しています。
戦略
概要
当社グループは、脱炭素社会の実現に向けて事業活動による環境負荷の低減、および環境課題解決への貢献を目指しています。2025年4月に特定した「重要な経営課題」では、「①設備工事業の強みを活かした環境課題解決と顧客価値創造」「④多様化するリスクに対する強靭性の向上」の中に、気候変動に関する課題への対応がそれぞれ位置付けられています。これらを踏まえ、次期中期経営計画「LIVZON DREAM 2030 2nd half!(2026~2030年度)」においても、気候関連課題の取り組みをしっかりと反映していきます。
リスクと機会
分析対象項目
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内容 |
備考 |
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時間的範囲 |
2026~2030年度 | 当社グループの中期経営計画「LIVZON DREAM 2030 2nd half!」の対象期間 |
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地理的範囲 |
国内セグメント | 当社グループ売上の74.1%および利益の71%を占め*、事業継続に大きな影響を与える |
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組織的範囲 |
大成温調株式会社 | 当社グループ売上の69.3%を占め*、関連会社の事業にもシナジーを創出 |
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事業内容 |
主に設備工事事業(空気調和・給排水衛生・電気設備の設計、施工管理、メンテナンス) |
*2025年3月末時点
気候関連の主要なリスク・機会
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区分:移行リスク |
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種類 |
主な内容 |
当社への影響 |
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リスク(脅威) |
機会 |
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政治・ |
炭素税導入 |
原材料調達、炭素量算定等、運用コストが増加する |
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気候変動に関する開示ルールの強化 |
気候関連開示ルールの厳格化や適用拡大に伴い、開示対応コストが増加する |
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改正建築物省エネ法の施行 |
建築物の省エネ性能基準引き上げ、施工業者の説明責任等の強化等により、現場営業・施工部門における対応コストが増加する |
自社のZEB建築実績やシミュレーション技術を活かした強みを訴求しやすくなる |
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技術 |
脱炭素・省エネ関連の技術開発競争と市場への技術導入 |
様々な公的機関、民間企業による脱炭素技術や空調設備技術の開発競争に取り残される |
他社も含めて新たに開発された技術が市場に導入され、自社のサービス向上に寄与する |
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市場 |
空調設備の使用増、およびそれに伴う電力消費量増 |
ー |
地球温暖化に伴い拡大する室内外温度差や湿度変化に対応できる空間・設備へのニーズが高まる 電力消費量増加に伴う環境負荷・コスト増への懸念から省エネ機能へのニーズが高まる |
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温室効果ガス、大気汚染物質の排出抑制機能へのニーズの上昇 |
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気候変動を加速させる温室効果ガス、汚染物質を防ぐ機能を備えた高性能な空調設備へのニーズが高まる |
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気候変動を起因とする原材料不足 |
達コストの増加や供給速度の低下に繋がる |
ー |
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評判 |
気候変動対応・開示に対するステークホルダー要請 |
対応・開示の不足・遅延により、他社と比較して投資家や取引先、顧客からの評価が低下することで企業価値が低下したり、機会損失に繋がる |
同業他社に先駆けて対応を強化することで評判や競争優位性が向上する |
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区分:物理的リスク |
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種類 |
主な内容 |
当社への影響 |
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リスク(脅威) |
機会 |
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慢性 |
猛暑日の増加による夏の日中の作業員の活動制限 |
屋外労働で受ける熱ストレスが高まり、労働災害の増加、労働生産性の低下、労働可能時間の短縮、人員確保とシフト調整等によるコストが増加する |
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猛暑日の増加による自社の電力消費量の増加 |
自社の電力消費量の増加によってコストおよびGHG排出量が増加する |
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感染症の増加 |
社内・取引先で感染が拡大した場合、重要な意思決定や取引、施工が遅れたり、健康を損なうことによる離職等に繋がる |
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急性 |
異常気象を起因とするサプライチェーンの寸断、事業停止 |
気象災害によって交通網の寸断や、調達元企業の事業停止などが発生すると、調達コストの増加や供給速度の低下に繋がる |
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雨量の増加による洪水・浸水の増加 |
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洪水に強いインフラや、水はけのよい設備・機能へのニーズ、貯水設備などの雨水利用へのニーズが高まる |
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リスク管理
概要
当社グループは、目指す姿「総合たてものサービス企業」の実現のためにサステナビリティリスクの管理を必須事項として認識しています。全社的なリスクは、取締役専務執行役員を委員長とする内部統制委員会が評価・管理し、その中の気候関連を含むサステナビリティに関するリスクについては、経営戦略委員会が対応方針の検討とモニタリングをしています。
気候関連リスクは随時変化し複雑化することを考慮し、より高度な管理プロセスの構築へ向け検討していきます。
指標と目標
当社グループは、気候関連リスク・機会を管理するため、温室効果ガス排出量(スコープ1・2)を指標として定めています。2023年度より算定を開始し、徐々に算定対象範囲を広げています。2024年度からは、営業車からの排出量を算定対象に加えました。
温室効果ガス排出量(単位:t-CO2)
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対象スコープ |
2023年度*1 |
2024年度*2 |
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スコープ1・2 |
409*3 |
482 |
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スコープ1 |
63 |
132 |
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スコープ2 |
346 |
350 |
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*1...2023年度の算定対象は、国内事業拠点(本社・支店・営業所・サービスステーション)の電気およびガス使用量です。
*2...2024年度の排出量には、営業車によるガソリンおよび軽油の使用に伴う60t-CO2の排出を含んでいます。
*3...当社は温室効果ガス排出量の算定精度向上と業務効率化を目的に、2024年度よりクラウド型算定ツールを導入しました。これに伴い、従来の手計算による集計方法から自動集計に変更した結果、一部の排出量データに差異が生じています。これはデータ管理と算定手法の精緻化によるものです。今後も信頼性の高い情報開示に努めていきます。
2023年度 スコープ1・2合計(当初公表値)487t-CO2 →(訂正値)409t-CO2
現在、経営戦略委員会主導のもと、温室効果ガス排出量の算定範囲を拡大しています。具体的には、スコープ1・2において各現場事務所を新たに算定対象に加えます。また、排出量削減に向けた目標設定および施策の検討を進めていく予定です。
また、お客さまに対する省エネ提案のさらなる強化、サプライヤー・パートナー企業各社と連携した低炭素資材の活用拡大や施工現場における省エネルギー化等の取り組みを進め、バリューチェーンを通じた脱炭素化を推進していきます。
上記の活動および、通常の事業活動を通じた顧客ニーズの的確な把握により、サプライチェーン全体で技術およびサービスを向上させ、顧客の温室効果ガス排出量削減、ひいては社会全体の温室効果ガス排出量の削減に貢献していきます。